<span>Barbour Way of Life</span><br>アルピニスト野口健さん

Barbour Way of Life
アルピニスト野口健さん

AUTUMN WINTER 2021

アルピニストとしての活動はもちろん、国内外のさまざまな環境問題にも積極的に取り組んでいることで知られる野口さん。7大陸世界最高峰を制覇し、その美しさと厳しさを身をもって知っていることはもちろん、コロナ禍において始めた家庭菜園や長年参加している富士山の清掃活動でもバブアーを愛用し、その日常生活は常に自然とともにあります。講演活動や執筆活動を含め、幅広く情報発信を続けている野口さんにバブアーとの出会いから、その魅力について語っていただきました。

英国留学時代の出会いとマイ・ファースト・バブアー

かなり昔のことになりますが、中高の英国留学時代ですね。イギリスにはブッシュウォーキングという、山道や田園地帯を散歩する習慣があるんですね。僕もボーイスカウトに所属していたので、よくブッシュウォーキングをしていたので、そのとき多くのイギリス人がバブアーを着ていたのを目にしたことが最初の出会いでした。

日本人のように、さぁアウトドアに出かけるぞ!と気負うのではなく、あくまで英国人は日常の延長線上にアウトドアがあって、そんなときにバブアーがちょうどいいのですよね。自分が実際に買ったのは大学生になってからでした。スリークォーター丈でベルト付きのデザインです。着用しているうちにウエストベルトがなくなってしまったんですが、破れることなく、20年以上経った今でも現役です。

バブアーは世代を超えて物語を紡いでいく稀有な存在

今のバブアー製品のほとんどが無臭ですが、僕が若い頃に買ったバブアーはワックス特有の匂いが強くありました。その匂いを嗅ぐと中高時代に過ごしたイギリスの古い家の記憶が甦り、懐かしい気分にさせてくれるから、むしろ好きなんです。それから、当時のジャケットって今の製品よりも重くて、手に取るとずしりとくる。そこも好きなんです。あの重厚さが丈夫さにつながっているし、ワックスを塗り込めばずっと使える。親から子へ、子から孫へ、そんな風に3代続けて着られる服って、バブアーしかないでしょう?

そこには着た人のドラマが詰まっているような気がします。ワックスが抜けてきた感じも味わい深いし、傷んだ部分からは着た人のライフスタイルが垣間見えてくる。使い捨ての服じゃないし、リペアしながら使い続けていくことでその人らしい雰囲気を纏ってくれる。長く付き合えるからこそ、結局はコスト的に安上がりだし、サステナブルでもあるのですよね。直してでも着続けたくなる服を持っていることは、心の豊かさにもつながるのではないでしょうか?

カジュアルだけど気持ちがちょっとだけ凛とする

もちろんワックスドクロス以外の新しいモデルもいくつか所有しています。今回の富士山周辺の清掃作業は天気が良く気温が高かったので、ナイロン素材のジャケットを選びました。それにしても面白いのは、素材が違ったとしてもバブアーらしさは少しも変わらないし、時間が経っても飽きることがないこと。

ファッションブランドはもちろんアウトドアブランドですら、シーズンが変わるとコロッとデザインが変わってしまうけど、バブアーって昔からほとんど変わらない。しかも、すぐにバブアーだと分かるデザインがすごいですよね。コーデュロイの襟があるだけで、どこか優雅な気持ちにさせてくれるんですよね。

コロナ禍によって活動が制限された昨年、野口さんは家庭菜園に本格的に取り組み始めたそう。千葉県の空き地を一部を利用し、土作りから、種まき、苗植え、生育、収穫までを手がけています。その様子をYouTubeにもアップしており、その際もバブアーを着用していただいています。

近所の散歩はもちろん、千葉でやっている家庭菜園での作業でもよくバブアーを着ていますね。最近若い人たちの間でキャンプが流行っているそうですが、そういう場面もバブアーならおしゃれに見えるし、雨が降っても問題なく過ごせますしね。それから、犬の散歩にもバブアーっていうのも似合うんですよね。天候や状況によって最適な素材のジャケットが必ずある。だから、似たようなジャケットなんだけど、何着も買い足してしまうんです。

左下が最初に購入したスリークォーターコートで、上段中央のカモフラが清掃活動中に着用していたナイロンジャケット。定番のビデイルやキルティングジャケットを含めて、現在は6着をご愛用いただいています。

ずっとそばに置いておきたいアナログな魅力

僕はNikonのFM2という古いフィルムカメラが好きで、今ではもうほとんど使うことはないけれど、ずっと自分の部屋に飾っておいて、暇になると手に取ってみるのです。スマホやPCは4〜5年で買い替えてしまうから愛着が湧かないけど、何十年と変わらず使い続けられるものって、結局アナログなものが多いような気がします。

登山の時は最新のゴアテックスジャケットを着用しますが、普段の生活でバブアーを着るのは、そうしたアナログ的な道具の良さがあるからなんだと思いますね。山用の本格的なアウトドア製品って、どんなものでも必ず寿命がきてしまいますからね。

日本が誇る名山、富士山の美しさを後世に残すために市民が中心となって活動する富士山クラブ。野口さんは、同クラブに20年以上も参加し続け、昨年からは理事長に就任。地元の有志やボランティアとともに、毎年定期的に清掃活動を行っています。

新作のAPACシリーズを着用した感想について

今日初めて着たのは裄丈や着丈が本当にぴったりフィットするのが気に入りました。仕事や旅行でイギリスにいった時にバブアーを買うことが多いのですが、当然ながらイギリス人サイズな訳で、特に袖が余ってしまいますから、アジア人の体型に合わせたシリーズが登場したのは嬉しいですね。娘にもバブアーを勧めて、彼女もレディースのモデルを持っているんだけど、そういったバリエーションが増えるのは大歓迎ですね。

PROFILE
1973年、アメリカ・ボストン生まれ。中学、高校は立教英国学院に入学。在学中に植村直己氏の著書に感銘を受け、登山を始める。16歳でモンブラン、17歳でキリマンジャロ登頂を成功。1999年、3度目の挑戦でエベレスト登頂に成功し、7大陸最高峰世界最年少登頂記録を樹立。シェルパ基金やマナスル基金など国外での活動、富士山清掃活動や熊本地震テントプロジェクトなど国内での活動を通じ、数多くの社会課題に取り組む。

Photo : Fumihito Ishii
Text & Edit: Takuro Kawase

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