英国の国民的老舗ブランド<br>『バブアー』120余年の歴史をたどる

英国の国民的老舗ブランド
『バブアー』120余年の歴史をたどる

英国の老舗アウトドア・ライフスタイルブランド『バブアー』は、1894年に北海の不順な環境で働く港湾労働者のために、キャンバス生地にワックスを染み込ませ撥水性を高めたワックスドクロス製のアウターを提供したことが始まりです。現在では、世界中で愛されている<バブアー>。なぜ、水夫たちの防水服が“英国のアウトドア・ライフスタイルを代表するブランド”に成長したのか。120余年にわたる歴史を遡り、その軌跡をたどります。

英国の歴史や文化に根差し、
人々の暮らしに寄り添ってきたバブアー

【写真左】創業当時のサウスシールズのマーケット。奥が最初の工場とストア。
【写真右】創業者ジョン・バブアー。生地商だった彼は、当時海上物流の要衝だったサウスシールズで起業。

1894年にジョン・バブアーによって英国北東部の港町サウスシールズに創業された『バブアー』。誕生以来、英国国民に愛され続けてきたブランドの長い歴史には、成長に繋がる3つのターニングポイントがあります。1つ目の転機は、創業後間もなく訪れました。北海の過酷な環境で労働に勤しむ水夫や漁師たちに向けて、新たに開発したワックスドクロス製のレインウエアを提供したバブアー。コットン生地にタールや魚の油でコーティングしただけの当時粗末な防水着と比べて、このレインウエアは革新的で防水性に富みながら、匂いやごわつきが少なく取り扱いしやすいことから人気を集め、その評判は瞬く間に英国中に広まりました。

2つ目は、ジョンの孫ダンカン・バブアーによってもたらされました。熱狂的なモータサイクリストと知られたダンカンは、ワックスドクロスの耐久性にバイカーズウエアとしての可能性を見出し、1936年には、後に英国海軍の潜水艦乗組員のユニフォームに採用された伝説のウルスラ ジャケットの原型となるモーターサイクルジャケットを発表。その後、多くのライダーがレースで着用し1950~60年代のモーターサイクル全盛期には、ライダースジャケットの代名詞として確固たる地位を築きました。1964年に開催された6日間の耐久レース、ISDT(インターナショナル シックス デイズ トライアル)には、俳優のスティーブ・マックィーンがアメリカ代表としてバブアーのインターナショナル ジャケットを着用し大会に出場したことは有名です。

3つ目は、1974年のエジンバラ公によるロイヤルワラント(英国王室御用達)の授与。このバブアーに与えられた名誉は、長きにわたってフィールド&カントリーウエアとして、英国王室や貴族の寵愛を受けてきた功績によるもので、以降も82年にエリザベス女王、87年にはチャールズ皇太子の命を受け、英国王室御用達の称号を授かっています。また、現在この3つ全てのワラントを所持しているのは非常に稀有なのです。

英国王室からハリウッド俳優、
世界中のセレブが愛用

【写真左】1985年、ヘブリディース諸島のバラ島にあるキャッスルベイを訪れた故・ダイアナ妃も、バブアーのコートを着用。
【写真中】イギリス最大の野外フェス、グラストンベリーの会場で。アレクサ・チャンは、ほぼ毎年のようにバブアーを着て参加する姿がパパラッチされている。
【写真右】デイヴィッド・ベッカムもバブアーの愛用者。防寒着として、また丈夫なアウターとして、セレブからの支持率は高い。

品質の高さが評判になってからも様々な需要に真摯に応え続けることで、バブアーは英国民の必需品となり、王室御用達を授かるまでになりました。こうして英国伝統ブランドとしての地位を確立する一方、バブアーをスタイリッシュに着こなすセレブやミュージシャンが登場。ファンの興味を引くとともに、世界中でバブアー人気を高める原動力となりました。

Photo: Princess Diana Archive Hulton Royals Collection, David M. Benett Getty Images Entertainment, Alex Moss FilmMagic/Getty Images
Text: Kazuhiro Watanabe

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