重い冬コートから軽やかな春アウターへと、チェンジする季節がいよいよ到来。新しい生活様式がマストになったとはいえ、ニューコレクションに袖を通す瞬間は、どんなときでも気分がアガるもの。自分らしく、気負わない自然なスタイルを狙うなら、英国の質実剛健さと現代的なフェミニンさが絶妙にマッチした「バブアー バイ アレクサチャン」の新作がおすすめ。街歩きが楽しくなるこれからのシーズン、今年らしいムードにもぴったりとハマるアウターにアップデートしてみては。
英国を代表するファッションアイコンとして、雑誌やSNSなどで可憐なライフスタイルを披露するアレクサ・チャン。彼女が日頃からバブアーを愛用しているということで実現したコラボレーションも、今シーズンで4回目を数えます。時代のエッセンスを汲み取る抜群のセンスと美意識が盛り込まれた新作のラインナップから、今回は重すぎず軽すぎずの6オンスワックスドコットンを使用した2型とノンワックスの生地を使用した1型をフィーチャー。フロントを開けた着こなしでちらりとのぞく裏地も、クールな無地から、バブアーのクラシックラインでおなじみのタータンチェックまで、バリエーションがぐんとアップ。さっとさりげなく羽織るだけできまる着こなしと合わせて、新コレクションの魅力に迫ります。
ベースとなっているのはバブアーの名品・ムーアランド。定番のビューフォートと似たルックスながら、大きめのフラップ付きの左胸のポケットと、サイドから手を入れられるマチ付きのフロントポケットが、実用的なアクセントとなっています。ジャケットとコートの中間ぐらいのミドルレングスなので、気になるヒップ周りがほどよく隠れ、スキニーなボトムとも相性良し。裏地のパターンは、バブアーでおなじみの、シックな色調のタータンチェック。表地に用いた6オンスのワックスコットンが、ほどよい軽さを備えながらも、バブアーらしいラスティックなムードを漂わせているのも好ポイントです。
長い間愛用していたようなヴィンテージ風のルックスが、手持ちのアイテムにすぐ馴染んでくれるこのジャケット。1911年にリリースされ、英国の上流階級の名家がバブアーに寄贈したヘイドンというモデルをベースにアレンジした一着です。喉元までぴったりと覆い隠すようにボタンが配されたダブルブレスト仕立てで、襟がいつものコーデュロイ素材ではなく、ベルベット素材で仕立てられているのがポイントに。裏地はアレクサのシリーズにしては珍しい、無地というのもクールな印象です。大きめのフラップポケットを開けるとポケット口に三角形のレザー製補強パーツがあしらわれているなど、シンプルなAラインシルエットながらもディテールへのこだわりが光ります。
カーキのボディと袖に配した深いグリーンの切り替えと、ベージュのパッチポケットや玉縁をアタッチしたデザインで、まるでパッチワークのようなルックスに。アレクサチャンとのコラボではすでにおなじみのフライフィッシング用ジャケット、スペイをベースにアレンジした一着で、新たに加わったスナップボタン付きの袖口ストラップとタータンチェックの裏地が、フレッシュで春らしい高揚感を添えています。バックの襟元にロゴ刺繍が入っているのもチャーミング。ほどよいボックスシルエットとショート丈が合わせるボトムを選ばないので、スタイリングの幅も大いに広がります。
Text : Satoko Hatakeyama Edit : Takuro Kawase