黒い背景のマネキンにかけられた高級感のあるブラウンの襟のブラックアウター

フィッシングから生まれた定番「スペイ」。
その歴史と特徴とは?

1894年から続く歴史のなかで、数多くの定番モデルを生んできたバブアー。
なかでもブルゾン感覚で着られるワックスコットンジャケット「スペイ」は
近年改めて人気を高めているモデルです。その歴史と特徴、バブアーならではの
こだわりを総まとめ。これを読めば、「スペイ」のすべてがわかります。

ワイド&ショートなシルエットの
由来はフィッシングに

ブラウンの襟・中が緑の黄色のチェック柄になっている高級感のあるブラックのアウターと川沿いと魚と釣具と川で釣りをしている男性と魚を入れる木製のカゴとネットのイラスト

目下、「トランスポート」に次ぐ人気モデルとなっている「スペイ」。その誕生は1980年で、40年以上の歴史をもつロングセラーでもあります。一番の特徴は、ウエストレングスのショート丈。さらに、背中にベント(裾の切れ込み)のない設計ゆえ身幅がワイドに見える点も「スペイ」ならではの個性につながっています。

この独特なシルエット、実はフライフィッシング用アウターとして考案されたという歴史ゆえ。川の中まで入ってもアウターの裾が濡れず、また竿を操る動きを妨げないようワイドに設計されています。ちなみにモデル名は、スコットランドで2番目に長く、フライフィッシングの聖地として有名な“スペイ川”に由来しています。

元々はギアとしての機能性から生まれたシルエットでしたが、ワイドパンツが主流となるにつれ、“このバランスが合わせやすい!”と評判に。どちらかといえばツウ向けだった位置づけから、一気に人気モデルへと躍進しました。

今なお息づく、ギア由来の意匠

ブラウンの襟・中が緑の黄色のチェック柄になっている高級感のあるブラックのアウターの襟下とポケット横にあるD管
ブラウンの襟・中が緑の黄色のチェック柄になっている高級感のあるブラックのアウターの襟下とポケット横にあるD管

襟の下とポケット横にはD管がセットされています。もとはフィッシングの道具を提げるためのもので、「スペイ」のルーツをさりげなく物語るポイントに。クロスステッチで縫い留められた堅牢な仕立ては見た目のアクセントにも。

ブラウンの襟・中が緑の黄色のチェック柄になっている高級感のあるブラックのアウターのチェックの裏地

バブアーのアイコンであるハウスタータンチェックの裏地。途中から無地に切り替わるのが特徴的ですが、「スペイ」は数あるモデルのなかでもその位置が最も高く設定されています。川に浸かっても汚れないように、というのが理由。

ブラウンの襟・中が緑の黄色のチェック柄になっている高級感のあるブラックのアウターのポケット

釣りの小物類をしまえるよう、身頃左右には大きなポケットが。「ビデイル」などと違い、出し入れのしやすさを考慮してスナップボタンを排しているのがポイントです。ちなみに身頃内側にも左右にポケットが。

バブアーらしいディテールも健在

ブラウンの襟・中が緑の黄色のチェック柄になっている高級感のあるブラックのアウターのジップファスナー

リングジップファスナーとよばれる特徴的な意匠は、ハンティングやアウトドアシーンで手袋をしたままでもジッパーの開閉を行いやすいよう考案されたもの。バブアーのブランドルーツを今に伝えています。

ブラウンの襟・中が緑の黄色のチェック柄になっている高級感のあるブラックのアウターの襟の詳細

襟の裏側にはチンストラップが備わり、襟を立ててストラップを留めれば首周りをぐるりと覆う形に。寒さの厳しい英国ならではの機能ですが、現代においては着こなしのニュアンスを変えるギミックにもなっています。

ブラウンの襟・緑の黄色のチェック柄の裏地になっている高級感のあるブラックのアウター

このほかにも、前立ての裏側に仕込まれたポケットや脇下のベンチレーション(通気穴)、美しいショルダーラインを描き出すラグランスリーブなど、随所に見どころが満載。さらに別売りのフードやライナーも展開し、気候やスタイルに合わせてカスタマイズができるのも特徴です。

伝統のワックスコットンがもたらすクラシックな魅力と、今どきの着こなしにベストマッチなモダンさを兼備した「スペイ」。汎用性の高い一着を求めるなら、まずはこちらをお試しください。

<<関連ページ>>